2019年夏ドラマ

【ボイス 110緊急指令室】8話のあらすじネタバレと感想!狂気と、正義の狭間で…

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ドラマ「ボイス 110緊急指令室」第8話が2019年9月7日(土)に放送されました。

この数年の数々の事件が一本の糸のように絡まりながら、闇の奥底深くから引きずり出され…その軸となる猟奇殺人事件の容疑が濃厚だった上杉渉(手塚とおる)が無残な死体で発見___。

彰吾(唐沢寿明)はその先に続く手がかりを見失い、懊悩していました。

その現場に残されていたのは亡き妻の“声”。

自分以外の男に想いを寄せているかのような未希の言葉は、この三年の苦しみと哀しみを掘り起こし、彰吾の心を抉るのです。

ここでは、「ボイス 110緊急指令室」第8話のあらすじ(ネタバレ)と感想、視聴者の声を紹介していきます。

ドラマ【ボイス 110緊急指令室】あらすじと原作(韓国ドラマ)ネタバレ!ドラマ「ボイス 110緊急指令室」は、韓国のケーブルテレビ「CJ ENM」で放送された韓国ドラマ「ボイス~112の奇跡~」が原作となって...

【ボイス 110緊急指令室】8話のあらすじ(ネタバレ)

湖畔の惨劇

渉に呼び出された先は、未希との思い出の場所、湖を見下ろす美しいペンションでした。

自分を見逃す代わりに真犯人の情報を与える、と持ち掛けられて、彰吾は捨て身の覚悟でそこに向かったのです。

しかし、一足遅く。
“真犯人”の本郷雫(伊勢谷友介)が渉を追い詰めていたのです。

渉は、これまで雫の悪行の全てを庇い、その尻拭いをしていました。

それなのに、感謝されるどころか、傷つけられ、ゴミのように切り捨てられようとしている、その瀬戸際でもがいていた渉は、しかし圧倒的な雫の暴力になすすべもなく打ち据えられ、鉄球で頭を砕かれました。

「雫、お前は今すぐ病院で治療を…!」

「これだから兄さんはダメなんだよ」

振り上げられた鉄球は、渉の息の根を止めました。

「GOOD BYE、兄さん」

その声が渉に聞えたかは、誰にも知る由がありません。

妻の“声”

明け方近く、彰吾がその館に辿り着くと、どこからか、声が聞こえてきました。

「亮二さんに…会いたい」

忘れられない妻の声が、他の男の名前を呼ぶのを聞いて、彰吾は混乱します。

その声に導かれるように階段を上がると、そこには小さなスピーカーと、ボイスレコーダーが…。

まるで自分を揶揄うようなそのしかけに導かれ、彰吾は階段を上がり、バルコニーへ。

果たして、そこには一足の靴が並べて置かれており。
眼下には、こと切れた渉が横たわっていたのでした。

その服のポケットには小さなメモが残されており…「もう逃げられない 死んで償う」と書かれていたのです。

「クソが。そのざまを見せようと、俺を呼んだのか」

彰吾はなすすべもなく、渉の遺体を見つめていました。

「真犯人は誰だ?!未希に何があった?」

彰吾を追ってやってきたひかり(真木よう子)と透(増田貴久)は苦しみ叫ぶ彰吾を、ただみつめるしかありません。

狂気の形

雫は、書斎の中央に据えた大きなガラスの棚に、新しいコレクションを並べました。

硬質なカチンという音。

血塗れの鉄球でした。

その前には“上杉 渉”の名前が刻まれたプレートがあったのです。

お気に入りが並ぶそのディスプレイ棚に、違和感があったのです。

誰かが、この部屋に入り棚の引き戸を開けた形跡が残っていました。

雫は父・辰夫(伊武雅刀)の秘書(奥田洋平)に電話を掛け、留守中に誰か部屋に入ったか、と尋ねたのですが。

返ってきたのは“知らない”という言葉。

しかし。
辰夫は、聞えていたそのやり取りに、静かに動揺を抱えていました。

鑑識課の捜査は進んでいました。

渉の死因は自殺だ、と聞いて透やひかりは食い下がりますが。

損傷が酷くて、明確な判別がつけづらいのだというのです。

現場に残されていたボイスレコーダーの音声を聞いた強行犯係の仲間たちは、彰吾の心中を察していました。

ひかりは、その音声のコピーを入手し、彰吾の力になろうとします。

透は、そんな仲間たちの姿を意味ありげに見つめていました。

項垂れる彰吾に、ひかりは話しかけました。

「自殺ではなく…他殺です。真犯人は、殺しに長けている。鉄球のような鈍器で殺し、飛び降り自殺に見せかけた」

「三年ぶりに聞いたよ、未希の声」

多忙を極めていた彰吾との会話を埋めるために、未希は連絡事項をボイスレコーダーに残すようになっていたのです。

「何か、頼まれても…悪党どもを捕まえるのに忙しいからって…人を守るのが、俺の仕事なのに!うちのやつが何を抱えていたのかも知らず、なんてザマだ!」

まだ小さかった大樹の病気のこと。
未希の仕事のこと。

彰吾は、未希が抱えていたことを本当に何も知らなかったのです。

繋がった細い糸

上杉の手掛かりを求めて、彰吾は逮捕されていた側近・下山(三溝浩二)を取り調べました。

周囲は彼を気遣いますが、本人はブレることはありませんでした。

もし、未希の心に揺れる何かがあったとしても。

三年前の事件の日、彼はこと切れた未希の遺体に誓ったのです。

“真犯人”を挙げるのだ、と。

取調室で、下山に対峙した彰吾は渉が亡くなった現場の写真を見せ、彼が“真犯人”について語る音声データを聞かせて揺さぶりをかけました。

その様子を、透がガラス越しにじっと見つめていたのです。

「上杉を、こんな目に合わせたやつを…俺がムショにぶち込んでやる」

明らかに動揺を見せた下山に、彰吾は畳みかけました。

「知ってることだけでいい。話せ」

そこで出てきた名前が本郷ホールディングスでした。

渉が仕切っていた人材派遣会社「クローバーフレンズ」のスポンサーのなかでも別格の扱いだったのだといいます。

沖原の事件現場になった高級クラブ・イリュージュから、事件直後に立ち去った連中は、まさにその会長(辰夫)と代表(雫)だったのです。

ひかりは、辰夫の記者会見の映像を彰吾に見せました。

本郷ホールディングスが所有していた土地で健康被害があり、作業員が体調を崩した、というのです。

その作業員らを派遣したのは下請けのクローバーフレンズ。

こうした繋がりを探ることで、大量の派遣社員の行方不明の検証もできるかもしれない、と彰吾とひかりは希望をつないだのです。

緒方(田村健太郎)がかき集めた本郷ホールディングスの資料には、裏も表も含めて詳細な情報が詰まっていました。

辰夫が横浜を中心として日本の政財界に絶大な権勢を誇る“本湊会”の発起人であったこと。自身は土木作業員からのし上がった立志伝中の人物であり、メディアや政界・財界に途方もないコネクションを持っているのです。

そして息子の雫は米国の大学に留学してMBAを取得したエリートで、スキャンダルは一切なく、セレブのゴシップにもひっかからない徹底ぶりでした。

ひかりは、本郷父子に沖原の事件の参考人聴取をかけていますが、どちらも応じる様子はありませんでした。

しかし。
ひかりや彰吾らが懸命に手繰り寄せてきた細い糸は確実に、本郷らに結び付いていく実感を得ていたのです。

人ならざる者

雫は、雑多なものが並ぶ地下室に居ました。

そこには未使用の鉄アレイ状の凶器だけでなく、さまざまな形状の鈍器が血まみれの状態で置いてありました。

“佐久間祥太郎”、“小暮大地”、“○○由利子”と名前が刻まれたプレートとともに、血塗れの状態で並べられていたのです。

まるで、戦利品であるかのように。

その部屋の真ん中に立ち、瞑目した雫の周囲にはまるで亡霊のように気配が押し寄せてきました。

“今までお前は何人殺してきた?”

「覚えてないよ」

“お前は狂ってる!”

“人殺し!”

亡者の叫びの中に、断末魔の声が混ざり始めると、雫の口元には笑みが刻まれていきました。

耳に残る悲鳴を、まるで交響曲を操るかのように弄ぶ。

彼の表情は無邪気ですらありました。

辰夫は、新聞に掲載されていた新聞記事を見て、27年前の記憶を掘り起こしていました。

当時、渉は本郷ホールディングスの工事現場で働いていたところを見出され、辰夫に引き取られたのです。

「何でもやります。命も惜しくありません」

辰夫は、そんな渉にかつての自分を見ていたのかもしれません。

親もコネも金もない、身一つでのし上がってきたその人生を、若い渉に重ねていたのでしょう。

「お前。雫の兄になれるか?」

力になってくれるというのであれば、その引き換えに、家族の一員として迎える、と言われ、渉はその人生を売り渡したのです。
しかし。

そんな渉を見つめていた雫の瞳は、人間のそれではありませんでした。

ほどなく、渉は雫の手に掘ってアキレス腱を切られ、顔を鈍器で殴られて顎を砕かれるという洗礼を受けることになったのです。

彼のコネクション

辰夫はありとあらゆる場所に自身の意図を伝え、操るという才能にたけた人物でした。

その彼が目を付けていたのが、港東署の田所署長(小市慢太郎)でした。

20数年をかけて、若手の刑事だったころから育て、彼の前に立つ可能性のあるものを排除して警視正・署長にまでひっぱりあげたのです。

「その署長の椅子は、お前の物ではない」

恐らく、田所署長をクビにしても、次に有能なものを引っ張り上げて自分の思うとおりに警察を操る、ただそれだけのことなのでしょう。
しかし田所にしてみれば、自分の人生が根底から覆るような叱責です。

「上杉、自殺したな。しかも他殺だと疑ってお前の部下が嗅ぎまわっているだろう!」

田所は平身低頭していましたが。

辰夫はとどめのようなひと言を言い放つのです。

「俺が買った署長の椅子を返してもらう」と。

早々に、ことが起こりました。

横浜地検特捜部の滝沢検事正(村杉蝉之介)が部下を引き連れて港東署に現れ、彰吾らにありもしない嫌疑をかけたのです。

“特別公務員暴行陵虐罪”___彰吾が、この一連の凶悪犯の逮捕に於いて、被疑者への過剰な暴行容疑があった、という令状を見て、透は呆然としました。

資料が段ボールに詰め込まれ、滝沢に掴み掛ろうとしたものの、今度は公務執行妨害罪に問われる可能性もある、と周囲の仲間たちに抑えられました。

ほどなく、ECUにもその旨が伝わり、ひかりは強行犯係のオフィスに駆け込みましたが。

彼女の目の前で彰吾は警察手帳を取り上げられ、一切の捜査を禁じられてしまいました。

ECUそのものの存在までもが揺らぐ事態になっていったのです。

「では失礼します。樋口警部補、転職先を考えておいてください」

滝沢はその警察手帳を田所署長に手渡し、「一杯奢ってくださいよ」と言って立ち去りました。

彼らを追ってきたひかりに、田所は言ったのです。

「ECUの班長が暴力を…由々しき事態です。ECUの存続について、検討させてもらいますよ」

ひかりは、目に涙をためて田所を睨み据えました。

「警察官の仕事は、悪党を捕まえること___父が殺される直前に言った言葉です。いっそ、我々に、警察を辞めろと言ってください。その方が、この状況を説明なさるより簡単でしょうから!」

「何が言いたいんですか?」

「署長は、何のために警察官になったんですか?」

顔をこわばらせて、田所は答えませんでした。

「班長の処分次第では、ECUは解散…」

指令室では落合(安井順平)や栞(石橋菜津美)らが不安げにその推移を見守っていました。

「特捜部、間違いなく起訴に持ち込むつもりですよ」

ホワイトハッカーでもある緒方は何某かの情報を掴みかけているのかもしれません。

「…はい、皆さん!応対に集中を」

ひかりの代理として指令室を仕切る副室長の言葉で、皆リセットして仕事にとりかかっていきました。

真犯人、そして裏切り者の存在

あまりに突然な権力の介入に、ひかりと彰吾は困惑していました。

渉の自殺を他殺であるとして捜査している状況、そして、ECUに配属されてからの省吾の捜査状況の詳細までが真犯人側に漏れている___裏切り者は、ECUにいる可能性が高いのだ、とひかりは断じました。

三年前、ひかりと真犯人の通話記録の音声データが消された件も。

沖原の行動を把握して、脅迫できる___あまりにも身近過ぎて、最初から疑いもしなかった人物。

「何が言いたいんだ?」

「先日、上杉渉のカバンから押収した証拠品、真犯人に繋がる証拠品だけが、見つからなかったそうです」

そのカバンを、保管庫に運んだのは誰だったのか…。

彰吾の記憶には、はっきりと刻まれていました。

自ら希望してその役目を負ったのは___。

「あいつが抜き取った、とでもいうのか?」

その時、背後から声をかけてきたのは…。

「ああ、ここにいたんですか」

ひかりと彰吾は、同時にその方向に顔を向けました。

「アニキ!滝沢っていう検事正の野郎、誰とつながってるかわからないんですよ…」

あまりにも身近な…彰吾の弟分・透。

ひかりは口をつぐんで立ち去り、そして彰吾は透に「しばらく、一人で出動してくれ」と告げるのです。

立ち去る二人の背をみつめる透の視線は、暗く、冷たいものでした。

まるで遊びのように

ショパンの「革命」。

アナログレコード独特の響きが部屋に流れる中で、雫はお気に入りたちが並ぶ棚の中を見つめていました。

そこには未使用の鉄アレイ状の鈍器が二つ。

そしてネームプレートには“樋口彰吾”と“橘ひかり”と刻まれていました。

雫はニヤニヤと笑みを浮かべながらつぶやきます。

「どちらを先に…」

醜くゆがむその顔は、まるで猛獣が小動物をいたぶるような残忍さを浮かべていました。

ひかりは帰宅すると、自室の機材とパソコンを使って未希の音声データを解析していました。

最初に現場のボイスレコーダーで聴いたときから、不自然さと違和感を持っていたのです。

「もしかして、これは…」

ボイスプロファイラーとしての経験をもとに、その“おかしさ”を突き止めようとしていたとき、彼女の耳に音が飛び込んできました。

硬いものがコンクリートや金属の手すりに当たる、その音。

そして、足音や、顎のカチカチ鳴る音…。

恐怖のどん底に叩き落されたひかりは、自宅マンションから彰吾に連絡しました。

「班長、今、私の外で、砲丸のような鈍器を持った…誰かが…足音の間隔から三十代半ばから四十代の男性、身長は180㎝前後___三年前の犯人と一致します!」

他の誰かをよこしてほしい、というひかりでしたが。

彰吾は、検察が問題視することを承知の上で「黙ってられるか!」と周囲の静止を振り切って飛び出していきました。

沖原が失われた今、彰吾まで失うわけにはいかないのだ、という強行犯係の者たちの言葉もありましたが。

それでも走らずにはいられなかったのです。

マンションの廊下をだんだん近づいてくる足音、そして金属音。

ひかりは、ドアの外で顎が鳴る音がしていることに気付き、キッチンの包丁を手に、耳を澄ませてドアのスコープをのぞき込むと、そこには笑う雫の目が見えたのです。

ひかりの喉からこぼれた悲鳴に気付いた雫は笑っていました。

そして、取り出したのは小さなボイスレコーダー。

「お願い!父はあと少しで定年なの!お願い!殺してやる!父に何かしたら…!殺してやる!」

ひかりは、怒りと悲しみと共学で動けませんでした。

それは、三年前の父の事件の時に消されたはずの音声データ。

真犯人に向けて、まさに自分が叫んだ声だったのです。

自室のデスクに置いてあったスマホが鳴り、彰吾が今まさに向かっていると伝えてくれました。

「班長!班長!!…今、ドアの向こうから三年前消えた音声データが流れました!間違いない、犯人です!」

動揺したひかりのこえに、彰吾は「俺が行くまで待ってろ!」と言いましたが、ひかりの耳には遠ざかっていく犯人の足音、そして気配が伝わってきていたのです。

「現行犯で捕まえられるチャンスです!」

「落ち着け!」

「どんな時より、冷静です」

ひかりは、落とした包丁を手にしてドアロックを解除し、廊下に出ました。

一歩一歩、周囲をうかがって進む彼女の耳にキィンと不快な波が襲い掛かります。

超音波…ひかりの最大の武器である聴力が封じられている間に、照明が落とされ、彼女は闇の中に取り残されてしまいました。

背後に迫る男の影、その手が鈍器を振り上げていましたが。

一瞬の差で、目の前に彰吾が到着、その手にしたライトで自身の姿が浮かび上がるより早く、雫はその場を後にしたのでした。

打破されるフェイク

交番から到着した警察官らも加わり、ひかりの安全はひとまず確保されました。

そして、彼女は彰吾にある事実を話すのです。

「奴は楽しんでいます。殺そうと思えば、殺せた、私が恐怖を感じているのをみて、楽しんでいたんです」

未希の声を残したボイスレコーダーも、同様に、犯人が敢えて残したものだった、と。

「どういう意味だ?」
「結論から言うと、これは作られたものです」

パソコンのディスプレイには、専用ソフトで解析された未希の声のデータが表示されていました。

“亮二さんに、会いたい”

その声の波形は明らかに不自然で、つぎはぎで作られたものだということが科学的に証明されていたのです。

「班長を陥れて、楽しんでいるんです___想像以上に、得体のしれない怪物です…」

そして、奴に通じている人間の存在。

内通者が、検察に報告するはず。

彼らは、大きな手掛かりを掴みかけていたのです。

翌朝、出勤すると、強行犯係では滝沢検事正がしたり顔で監視カメラの映像を検証していました。

ひかりのために駆け出していった彰吾の、そのいきさつが、そこには残されていました。

「謹慎中の勝手な出動は罪になる」という彼らの言い分に、強行犯係のメンバーも、そしてひかり自身も反論します。

それは、同僚の身を案じての行為である、と。

「御託はどうでもいい。一つお勧めします。一連の容疑が起訴されたら犯罪者だ。お子さんも悲しむでしょう。病気がちで入院しているとか。懲戒免職になるより、依願退職という方法もありますが?」

滝沢検事正は、彰吾らの気持ちを逆なでするようにねっとりとしゃべりますが、彰吾も負けてはいません。

「俺が警察にいるのがよほど困るんだな?…そうなんだろ?」

滝沢は、意味ありげな笑みを浮かべて視線をそらしました。

「起訴、させてもらいますよ!」

「起訴はできない」

思わぬところから、援護射撃が始まりました。

透が分厚い書類を手にして、そこに立っていたのです。

「令状を変換してください」

透は、全ての事件現場に居合わせた警察官に協力を求め、その暴行陵虐容疑が全く不当であることを証明し、滝沢らの行いを検察官監督審査室に対してその不当を訴える準備をしていたのです。

「こじつけが過ぎたんじゃないですか?」

無表情のままに顔色を変えた滝沢に、透はさらに言いつのります。

「謹慎命令自体、不当なんです」

そして、彰吾も黙ってはいません。

「立件されるのは、お前の方だ」

“樋口さん”と背後にいた強行犯係の一人がふぁいるを差し出しました。

「調べさせてもらったよ」

政治家の妻、芸能人のドラ息子、権力者がらみの事件…滝沢が扱ったそのどれもが、不当に不起訴になっていたのです。

「この事件、全部洗ってやる。お前の検事バッヂ、俺が奪ってやるよ」

彰吾らも、黙ってやられているだけではありませんでした。

思わず殴り掛かろうとする滝沢をかわし、彰吾は「本性が出たなぁ」と挑発します。

「脅かすなら、人を見てからにしろ!」

凄む“ハマの狂犬”に、彼らがかなう訳はなかったのです。

「いくら金と権力で圧力をかけても無駄だ。依頼した奴に伝えろ、必ず尻尾を捕まえてやる」

それは、その場にいた者たちの総意でした。

透が、署長から奪い返してきた警察手帳を彰吾に差し出しました。

「ありがとう。お前のおかげで助かった」

「やめてくださいよ…」

照れくさそうに笑う透を、彰吾は飲みに誘いました。

ひとまず、彼らの前から一つの危機は去ったのです。

父と、息子

「何ぃ?もう一度言ってみろ!!」

辰夫は思い通りにできなかったこの一件に激高し、電話の相手を恫喝していましたが。

その通話を終えると、ふっと顔を緩めてテーブルに着きました。

目の前には雫が座っています。

好物ばかりを並べたという豪華な食卓は、しかし、大して手を付けられてはいませんでした。

「食事に読んだのは言い訳でしょう?話は何ですか?」

「警察が事情聴取をしたいと連絡があっただろう?」

沖原の事件があった日に、イリュージュにいた全員から話が聴きたいのだ、というのです。

「念のために、弁護士に話をしておいたから、気にするな」

「お父さん」

辰夫の言葉を遮るように呼びかけ、雫は真顔で責めるように問いました。

「僕の部屋に来た?」

実は、雫の部屋に入って、狂喜のコレクションを見てしまったのは、辰夫だったのです。

彼はそのあまりの衝撃に腰を抜かしてしまったほどでした。

「行くわけないだろう」

巧く笑えたか、きっと辰夫は自信がなかったことでしょう。

「渉が自殺したこと、聞いたか?」

「ええ…悩んだんでしょうね」

その、まったくの他人事のような風情に耐えかねて、辰夫は怒鳴っていました。

「お前は!どうしてお前は先のことも考えず、今この瞬間の欲求だけで行動するんだ?」

「何言ってるの、父さん?…父さんは、歳をとって臆病になった。長生きしてよ…父さんがいないと退屈でたまらない」

そう言うと、雫は目の前にあった分厚いステーキ肉に力いっぱいフォークを突き立て、部屋を出て行ってしまったのです。

「ご馳走様」

そしてその足で、彼が向かったのは神奈川県警港東署でした。

黒服の男たちに囲まれて歩く雫を見て、透が顔をこわばらせました。

すれ違った雫は、踵を返して透に問うのです。

「署長室は、どちらですか?」

本当の言葉

ひかりが、ボイスレコーダーにあった未希の声を解析、復元してオリジナルの音声に近い状態で聞かせてくれました。

そこには、理路整然と語る未希の言葉があり巻いた。

彼女はケースワーカーとして働く中でクローバーフレンズの関係と、路上生活者の行方不明事件について、明確に手掛かりを掴んでいたこと、そして自分がホームレスの人たちをそうした会社に紹介してしまったのだという責任感で、さいなまれていたのです。

「あなたに相談したいけど、もう少しはっきりしてからにします」

それは、多忙を極めていた彰吾への気遣いだったのでしょう。

「早く会いたい。一日の終わりに、あなたと大樹と、三人で過ごせることが…何より、私のシアワセだから」

未希は、真犯人の秘密を知って、殺されたのだ、とひかりは言いました。

目を真っ赤にした彰吾は、鼻をすすり、画面を見つめていました。

「いかれた遊びだ」

未希がクローバーフレンズにあっせんした路上生活者たちは、若くて健康なものばかり。

殺人欲求を抱えて生きてきた犯人は、殺人を楽しむために彼らを集めたのだ、と。

その時、ひかりのスマホが鳴り、彼女が取ると、彰吾とひかりの二人で、署長室に来るように、との指示でした。

そこには、雫がやってきており、田所署長が一人で接遇をしていたのです。

呼び出しをかけたことを詫びた田所でしたが。

雫は「きちんと聴取は受けますよ。逃げていると誤解されます」

ノックの音がして、ひかりと彰吾が入ってくると、雫は立ち上がり、二人の前に立ちました。

「初めまして。本郷ホールディングス代表・本郷雫です」

ひかりは、手の震えを抑えることができませんでした。

その眼には、涙が今にも溢れそうになっていたのです。

脳裏に蘇るあの時の声___「調子に乗るからだ」…あの時の男だ、と彼女は確信したのです。

挨拶を済ませた雫と署長が部屋を出ると、ひかりは彰吾に言いました。

「班長…第五号地区の、犯人の声と…同じでした!年齢、背格好も一致します」

代表…本郷雫が、真犯人!

辿り着いたその結論に、彰吾は駆け出そうとしていましたが、ひかりが懸命に止めました。

「ダメです!奴は楽しんでいるんです。だからわざわざ会いに来た!奥さんのウソの告白を流したり、私の家を襲撃したり…何をしても、捕まらない自信があるからです!」

前科が全くない…本郷ホールディングスという大きな力に保護されてきた、そんな彼を法で裁けないのだとしたら…。

「俺が裁いてやる!」

彰吾が部屋を飛び出していこうとしていたちょうどその時。

指令室には緊急通報が入っていました。

挑発

「カチカチ野郎!」

署長のエスコートで歩いていた雫の背後に、彰吾が声を掛けました。

雫のボディガードたちがその行く手を阻もうとしますが、彰吾にかなうはずがありません。

次々制圧され、彰吾は雫の胸元を掴んで怒りを爆発させたのです。

「お前がカチカチ野郎か!お前だったのか⁈」

「今の時代、警察官が市民に乱暴したら、大事になりますよ?」

「この人殺しが!」

「愛する妻の告白、楽しめましたか?」

「ぶち殺してやる!」

激昂する彰吾に、余裕の微笑みすら浮かべている雫。

「口先だけの人だ…」

そして、彼は彰吾の耳元にくちびるを寄せて囁いたのです。

「実際にぶち殺したこと、ないでしょう?」

その言葉は、ひかりの耳にも届いていたのです。

「度が過ぎると、相応の対応をすることになりますよ」

「お気に入りの鉄球を振り回して、頭をカチ割るか?本性を表してみろ!」

田所署長が制止しようとしますが、彰吾は止まりません。

「名物刑事…“ハマの狂犬”___面白いですねぇ」

そこに、落合が駆け込んできました。

「室長!緊急です…大きな騒動が…!」

地下鉄の拡張工事で、反対派が騒ぎを起こし、多くの負傷者が発生している、というのです。

ぴくりと、雫が反応したのを、彰吾は見逃しませんでした。

その工事を請け負っていたのは、雫の会社だったのです。

「猟奇殺人者が代表だと、トラブル多いなぁ」

彰吾の皮肉は雫の威勢を削いだようです。

「時間だけは十分にある。待ってろ、お前だけは絶対に許さない」

ひかりも「あなただけは、絶対に許さない」と、父の死の哀しみを込めて、雫に言ったのです。

「良いコンビですねぇ」

彰吾を迎えにきた徹は、雫を見ると体が固まってしまいます。

「行くぞ!」

騒動の拡大を防ぐためにも、彰吾らは出動していきました。

田所が詫びると、雫は笑って言いました。

「楽しかったですよ」
「え?」
「会いたい人に会えて…」

彼の、真実

「本郷雫…」

透が運転する覆面パトカーの助手席で、彰吾は話し始めました。

「あいつが真犯人だ」

「まともに見えましたけど…」

彰吾は、透の表情の変化を見逃すまいと凝視していました。

「透…おれは、かならず奴を挙げる」

その時、蘇ってきた、透の哀しい記憶。
彼はある事情で暴行された時に反撃し、相手を死なせてしまったのです。
その秘密が、今の彼を縛り付けていたのでした。

現着した彰吾と透は、騒乱状態の中で一人の少女を助けました。

父親が工事現場で働いているのだというのです。

デモの混乱を沈めようとしたその時、工事現場の坑道で鈍い音が聞えました。

午後4時05分___地下トンネル崩落事故、発生。



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【ボイス 110緊急指令室】8話の感想

長っ!

見終わって、伊勢谷友介さん演じる雫の狂気のシャワーを文字通り浴びたような気になっていたら、冒頭の渉さんのことが半分以上上書きされていたような気持ちになっていました。

不思議ですね。

50分弱の内容なのに、なんだか、2時間ものの映画を観たかのような疲労感で、ぐったり。

凄い密度です。

それにしても。

渉は、気の毒な奴だったなぁ、と。

もちろん、人の生死を掌で転がすようなことをしていたのだから、相応の報いは受けるべきだったと思いますが。

その殆どが、雫という“弟”を社会的に守るためだった、という悲しみ。

自発的に、という意味では、この人は逃げることしかしなかったんじゃないでしょうか。

もっと幼い頃に養子に迎えられたのかと思ったら。

彼、名前も変わっていないし。

単に里子のような扱いで、衣食住とちょっとばかり多めのお金が与えられただけで、実質はまったく割に合わないことをさせられていたのでは…?と思うのです。

彼が本当にしたかったことは、雫を専門医に見せること。

治せるかどうかは別として…その異常性をきちんと自覚して、押さえていかなければ大変なことになる、と案じていたはずです。

恐らく、辰夫が知らなかったことも沢山見てきたのではないでしょうか。

しかしあっさりと切り捨てられてしまった渉は、死の間際に自分が雫や辰夫にとってどんな存在だったか、を思い出してしまったかもしれません。

哀れ過ぎる…。

さて。

嫌味な芝居をねちっこくやらせたら天下一品!と思っている手塚とおるさんが退場し、入れ替わりに、ある意味ナイスなキャラクターの滝沢検事正が登場。

村杉蝉之介さんが小者感満載のいばりんぼ(笑)を演じています。

沢山の作品に出ている方なので、見たことある、という方は多いはずですね。

小市慢太郎さんも同様の器の小ささを露呈してきていますが。

彼、生き残れるのかな…辰夫にいたぶられて、神経すり減らして、天寿を全うできなさそうな予感。

どうなりますことか…?!



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【ボイス 110緊急指令室】8話の視聴者の声


↑いかれ過ぎというか、逝っちゃってるっていうか。
だが、そこが良いんだろう。


↑解ります!めっちゃ怖かったドアスコープから見えた雫の目!


↑…え、ちょ、これ市販品なんですかね?


↑ジョジョのインスパイア、あるかも!


↑この時のも怖いけど、渉の足を切りつけて、仕上げに顎を砕いたときの表情はもっと怖かった…。


↑スーツと、レインコートが制服みたいですね。
笑っちゃったのは、あの鈍器がコートのポケットから出てきたことですけど…。


↑AGREE!


↑見直してみよう!

まとめ

あのペンション、河口湖畔にある撮影スタジオのようですね。

いろんな番組や映画に使われているそうです。

参照:河口湖畔にある撮影スタジオ

さて。

未希の潔白が証明されるのと同時に。

彰吾はさらに重たい後悔を抱えることになったのかもしれません。

妻の仕事も、子供の病気も、どこか他人事のように考えていたのかもしれません。

もし三年前に未希の言葉を聞いていれば、クローバーフレンズの闇ビジネスはその時点で摘発され、今もまだ元気に生きている人が沢山いたはず。

運命の皮肉をいろいろと考えてしまう展開でしたね。

しかし、人をいたぶってその痛みを楽しむ、すごいサイコパスだなぁ。

その雫の為人を決定的にしてしまった悲劇が、来週明かされるようです。

終盤ですね。

見逃さないように食らいついてみていきましょう!

…そういえば、横浜地検特捜部って、“GOOD WIFE”では唐沢さんが検事としてお勤めしていたのでは?

ハマの狂犬と対決するなら、あれくらいレベルの高い戦略家でなければ無理でしょう~?



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