2019年秋ドラマ

【俺の話は長い】1話のあらすじネタバレと感想!屁理屈の天才、無敵のニート登場!!

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ドラマ「俺の話は長い」第1話が2019年10月12日(土)に放送されました。

生田斗真さんが2015年のTBSドラマ「ウロボロス~この愛こそ、正義。」以来4年ぶりの主演となるドラマが始まります。

天才的な屁理屈で凝り固まった31歳・無敵のニート、岸辺満(生田斗真)。

彼を中心にした悩ましくも愛おしい家族の物語。

毎回二話構成のドラマが始まります。

ここでは、「俺の話は長い」第1話のあらすじ(ネタバレ)と感想、視聴者の声を紹介していきます。

【俺の話は長い】視聴率(最新速報)と推移分析!視聴者の評価評判は?日本テレビ系・土曜ドラマ「俺の話は長い」は、コメディホームドラマになっています。 主人公の岸辺満(生田斗真)は、大学卒業後に起業に...

【俺の話は長い】1話のあらすじ(ネタバレ)

其の一 すき焼きと自転車

小銭とコーヒー

住宅街の中にある小さな喫茶店“ポラリス”。

その店の奥にある一室で、若い男がベッドに仰向けに寝そべったまま、何某か手を動かしていました。

片手にあるのは缶でできた貯金箱…。

細い棒を突っ込んで、そこから小銭を引き出しているのです。

ぽとり、ぽとりと胸元に落ちてくる小銭。

彼はそれらをまとめてコンビニのビニール袋に入れました。

店では、女主人の房枝さん(原田美枝子)が常連客の牧本(西村まさ彦)や諸角(ハマカーン浜谷健司)、薗田(本多力)たちと談笑していましたが。

そこに現れた男___岸辺満31歳、ニート。

彼はかき集めた小銭を500円玉に交換してほしい、と房枝さんに懇願するのですが、彼女は「おつりが足りないから無理」と近所の信用金庫のATMに行くことを勧めたのです。

「満も困ったもんだねぇ」

付き合いの長い牧本がため息をつきました。

「もう諦めてるから」

房枝さんはにこやかな笑顔で答えました。

満は、彼女の息子であり、共に暮らすたった一人の家族だったのです。

事情を知っている牧本と房枝は、苦笑するばかりです。

満は6年前、本格的なコーヒーを出す店を始めて、あっという間に頓挫したのでした。

こだわりが強すぎて、周囲が呆れるほど流行らなかったのです。

「半年も持たなかったよねぇ」
「半年はもったわ、9か月!」

房枝さんは、それもにこやかに答えます。

だからといって、プライドだけは超一流の満は房枝さんがやっているこの喫茶店ポラリスを継ぐ気は皆無だ、というのです。

房枝さんの淹れるコーヒーは偽物だと言いながらも、彼は毎朝一杯だけ、房枝さんに本格的なコーヒーを淹れてくれるのだと彼女は嬉しそうに話します。

「でもねぇ、それ以外には何もしないんだから、本当にどうしようもないわよ」

それは諦めなのか、それとも…判別しがたい笑顔でした。

そんな満がATMに小銭を突っ込んで、500円硬貨に両替すると、残高は237円…!

彼がその500円玉で買ったのは一杯のコーヒーです。

河原に自転車を止めて、階段に腰を下ろし、コーヒーを飲みながら文庫本を読む。
午後の柔らかい日差しの中で、なんとも贅沢な時間を、彼は一人過ごしていたのでした。

ひきこもる彼女

その夜。
満の姉・綾子(小池栄子)は娘の部屋をノックしました。

中学三年生という微妙なお年頃の春海(清原果耶)は床にねそべったままラジオをぼんやり聴いていたのです。

「今からおばあちゃんち行くけど、行かない?すき焼きの美味しい肉買ってきたから!」

「いい…」

「春海が喜ぶと思って買ってきたんだけど…晩御飯、どうするの?」

「昼の残り食べる」

「先生から連絡あったわよ?」

春海は、このところ学校に行っていないのです。

「聞いてるの?来週も休むなら、お父さんに直接頼みなさい。私はもう一切連絡しないから」

お父さん___それは春海にとっては大きな問題だったのです。

母と娘とその夫

「ネギ二本あったら足りるかしら?」

岸辺家の台所に房枝さんがパタパタと入ってくると…。

「ねぇ、ザラメどこ?」

綾子が我が物顔でコンロの前に陣取っています。

うろちょろしては小言を言われているのは綾子の夫・光司(安田顕)でした。

口から生まれてきたような綾子には絶対敵わない彼を気遣い、房枝さんは「そんな言い方しないの!」と娘を窘めますが、実は、今日は一つ光司がやらかしていたのです。

「ああ、ぼくが悪いんですよ…駐車場で車こすっちゃって…」

「まぁ、そう…あそこ慣れてないと狭いから!」

「だから私が運転するって言ったのに!」

そんな場をとりなすように、房枝さんは「やっだぁ、卵忘れてきちゃった!」と店の方にかけていきました。

そこに帰宅した満の声。

綾子は光司に「満にすぐご飯だからって言ってきて!」と命じ、すき焼きの仕上げに入ったのでした。

屁理屈の天才

「こんばんは!」

階段を上がろうとしている満に、光司が声を掛けました。

「ああ、お久しぶりです!」

「もうすぐご飯できるって」

そう言う義兄に、満はぽつりと問いかけました。

「あれ?光司さん痩せました?」

「あ、いや、最近よくやせた?って聞かれるんだけど、半年で5キロも太っちゃってさ」

…他愛もないその会話の後に、地雷が待っていたのです。

「でも今日はほら、すき焼きだからさ、たくさん食べちゃうよね!」

「えっ?!」

光司の語尾が終わらない間に、まるで睥睨するように階段の上で腕組みをし、表情をこわばらせた満。

「え…すき焼き?」

「うん。綾子がさ、奮発して米沢牛の良い肉を買ってきてくれて」

すう…っと満が階段に腰を下ろしてひと言呟き、光司の顔が曇りました。

「ありえなーい…」

「…米沢牛、嫌いなの?」

「すき焼きの方ですよ」

「すき焼き苦手な人っているんだ?」

「肉の食べ方として間違ってますからね?」

そこから怒涛の展開を見せたのは、満がいかにすき焼きが嫌いか、という屁理屈です。

上質な肉の食べ方と、美人の厚化粧というたとえを瞬時に絡めるようにして光司に迫り、ねじ伏せようとするのです。

人の好い光司はそれに絡めとられそうになったところで、綾子が「なにしてんの?!」と台所から声をかけ…ようやくその呪縛が解けたように光司は立ち上がりました。

それと反対に、満はまるでカウチに寝そべるように階段に体を預けて綾子を見下ろしたのです。

「早く降りてきなさいよ」

その手にある大皿にはすき焼きの具材がきれいに並べられていました。

「嫌がらせ?」

「何が?」

「俺がすき焼き嫌いなの解っててすき焼きにしたんだろ?」

「知らないわよ、そんなこと!」

「知らないわけないだろ?母さんがすき焼き作ってて俺が切れてるとこ何回も見てるだろ?!」

「ごめーん!満が嫌いなの、すっかり忘れてた!」

笑顔で二人をとりなそうとする房枝さんでしたが、そんな彼女に満はいらだち「だとしたらマジで病院行ってきた方がいいよ」と吐き捨てるのです。

何とも言えない空気の中で、綾子が「春海の大好物だからすき焼きにしたら来るかと思ったのよ」と言ったのですが。

その作戦も空振りして、肝心の春海は不在…満の屁理屈のボルテージは上がるばかりでした。

折衷案として光司が、満の食べる分だけの米沢牛を焼き肉にしてはどうかと提案しましたが。

綾子はガンとして受け入れず。

修羅場は酷くなるばかり。

「まいったなぁ…」

皿を手に居間に戻る綾子と、二階の自室に上がっていく満の真ん中で、光司は途方に暮れていました。

鍋を囲んで

ボロクソに文句を言っておきながら。

くつくつと煮えていいにおいのするすき焼きの鍋から肉を取り、生卵を絡めて口に放り込む満を、綾子は横目でにらみ「さっきの時間、何だったんだよ…!?」と嘯きました。

「まぁ、ギリギリ食べられないレベルではないよ?そもそも肉のレベルは高いんだし…ただ食べ方としては…」

「煩い黙って食え!」

光司がふと思いついたように満に問いました。

「もしかして牛丼にも生卵かけないタイプ?」

房枝さんが捕捉するように言葉をさしはさみました。

「それがねぇ、牛丼には生卵無いと怒るのよー!」

「じゃあ、すき焼きも好きなんじゃない?」

さらりと言ってしまった光司に、そこからまた満の怒涛の屁理屈が始まるのです。

「余計なこと言わなくてもいいの!」

綾子がシャットダウンを試みて光司に言いました。

「こいつは誰でもいいから人間としゃべりたいだけなんだから」

「心外だなぁ!」

とりなそうとする房枝や光司のやり取りをよそに、じっと満は様子をうかがっていました。

「今日何で来たの?」

ただ、飯を食うために綾子と光司が来るわけはない、と切り込んだ満。

それは次のバトルのゴングが鳴った瞬間だったのです。

相談

綾子が持ちかけたのは、家を建て替える間の三か月、この家に親子三人を同居させてもらえないか、というお願いでした。

お金を借りたいということなのでは、と邪推した満が「ウチだってそんな余裕はない」というと、綾子が「あんたが働かないからでしょーーーーっ!」と声を張り上げて房枝さんに窘められました。

房枝には事前に了解を貰っていたのですが。

満は「丁重にお断りしまーす!」とすげなく断るのです。

「はぁ?なんで?!理由教えて」

満はわざわざ座りなおして綾子に正対したうえで言いました。

「俺に相談に来ておいて、すき焼き出すのはありえないよねー!」

まるで小学生男子のような物言いに、光司も「え?そこ?」と驚愕の表情を浮かべました。

ブチぎれた綾子をまるで諭すように満はとうとうと説教をしたあげく…。

「クライアントの嫌いなものお土産に持っていくって、ビジネスの世界では一番やっちゃいけないことだからね!」

「ニートの分際でビジネス語ってるんじゃねぇよっ!」

房枝さんが窘めるのはいつも綾子の方ですが、ヒートアップした綾子は止まりません。

「お前に相談したアタシがバカだった」

「俺に相談することは間違ってなかった。相談する方法が間違ってたんだ」

そう言ってさらに絡む満でしたが。

房枝さんがとりなして、綾子たち秋葉家の三人が住むことを承知してほしい、というと、今度は「そんな部屋は残っていない」と反論するのです。

房枝さんは、物置になっている綾子の部屋と、亡くなった父の部屋を空ければよいのだと提案しました。

じゃあ、春海の学校はどうするのか、という問題に直面する大人たち。

しかしここで大きなカミングアウトがありました。

春海の不登校です。

すると満はしたり顔で彼女の境遇を分析してみせたのです。

綾子の離婚と結婚によって名前が変わったり、さまざまな軋轢を匂わせるような物言いで、挑発するようなことを言った満。

「全部私が悪いのよ」

綾子は顔をこわばらせて俯き、そう言いました。

「綾子は悪くない…悪いのは僕なんだ」

光司の言葉に、慌てるように満は「2人が悪いなんて言ってませんよ?」と言いますが。

食卓を囲む空気はどんよりと重たいものに変わっていきました。

なさぬ仲の父と娘の間はそう簡単に打ち解けられるものではなかったのです。

引っ掻き回すだけ引っ掻き回したあげく結論にもならないようなことをぶつぶつ言っている満でしたが。

その時、ピンポーンと玄関に来訪者を告げる音がしました。

話題の主である春海が、自転車で45分かけてやってきたのです。

すき焼きと自転車

気まずかった食卓の空気が変わりました

「食べなさい。春海のためにすき焼きにしたんだから!」

春海は座卓の一角に座ると房枝さんから生卵を淹れた器を受け取りました。

「まさか、すき焼きが我慢できずにウチまで来たの?」

「悪い?」

「うわぁ…ガッコで変人扱いされてるんじゃないの?」

「どういう意味?」

「だって、すき焼き好きなんだろ?絶対変じゃん」

房枝さんが「満はすき焼き嫌いなんだって」と補足説明すると、春海も負けていません。

「そっちの方が変だし!」

すき焼きを貶めようとする満に「そもそもすき焼きは肉料理じゃないし」とばっさり言って相手にしない春海は、独自の理論ですき焼きを擁護し、満を黙らせました。

いわく、すき焼きは肉のうまみを吸った豆腐と白滝を味わう鍋料理である、と。

「タダの屁理屈だね」

「お前が言うなよ!」

綾子に封殺されそうになった満でしたが。

姉に対しては強気を隠しません。

そこで初めて、家を建て替えること、実家に仮住まいしようと考えていることを春海に告白した綾子と光司だったのです。

春海の答えは明快でした。

ホテルやマンションで仮住まいするのであれば、ここが良い、と。

「おばあちゃんのご飯、美味しいし」

それを聞いてほっとした光司。

「どうなの?満!」

綾子に確認するように問われて、彼は手のひらを返しました。

「え、俺別に反対するなんて言ってないし」

「言ったじゃない!」

「いや、姉ちゃんの相談の仕方はあり得ないとはいいましたが、仮住まいに反対するとは一言も言ってません!」

流石に呆れた光司と綾子をなだめるように、房枝は「もうこのお話はおしまい!」と言って締めました。

「さっさと食べないと、〆のうどんに辿り着かないわ」

自転車に乗ってきた春海。

その自転車をかえりにどうするか、と言う話が出てきて、仮住まいの話は決定事項となり、綾子と光司は車で、春海は光司が自転車で送り届けることになったのです。

「うわぁ…食べ過ぎたぁ…」

ペダルをこぎながらつぶやく春海に、満はストレートに不登校の理由を尋ねました。

「ガッコ行ってないんだって?何か、やなことあったの?」

そんな叔父に、春海も問いました。

やりたくないことはやらない主義の満が、どうして好きでもないすき焼きを食べたのか、と。

「しいて言えば、春海の為かなぁ」

人生のお手本___好き勝手に生きてきた俺でも、好きでも無いすき焼きを食べて見せることもできる、と言う満に、春海はあきれたように「意味わかんないし」と呟きます。

不登校の彼女に、意外なモラリストぶりを見せる満でしたが。

そんな彼が思いがけないことを言いました。

「15年ぶりに食べてみたすき焼きが予想を超えて美味しくて、しゃぶしゃぶと焼き肉超えて断トツ一位だった」

「信っじらんない。お母さん聞いたらブチ切れるよ」

「だから、絶対言うなよ!」

「どうしようかなぁ」

坂道を立ちこぎし始めた春海の背中に、満は声を掛けました。

「まだ姉ちゃんのホントの怖さ見てないだろ?」

「知ってるよ、いろんな修羅場見てきたし」

「もう少し、光司さんに優しくしてやれよー」

「うーん、頭では解ってるんだけどねぇ」

そんな何気ないやり取りを経て。

夜は更けていくのでした。

其の二 寿司とダンボール

共同戦線?!

とある昼下がり。

二度寝した満がアラームで目覚めると、何やらごとごとと物音がしていました。

よろよろと置きだすと、房枝さんと綾子が古い本や段ボールの中身を整理していました。

古い玩具やら飾り物などを見て女二人がキャッキャしているその背後にあったのは、6個の大きな段ボール箱。

その全てに、“満コーヒー”と言う文字が書き込まれていたのです。

階下に重たい古本を下ろすように言われて、満はそれを換金することを思いつきました。

行き先は牧本が営む近所の古本屋です。

光司を誘って歩く道すがら、満は言いました。

「無理に春海に好かれなくても良いんじゃないですかねぇ」

家を出る直前にも、古本屋に誘った春海にそっけなく断られてしまった光司。

嫌われている、という現実をふいに突き付けられてしまった彼は「家族に嫌われてるって、つらいよぉ?!」と満に吐露します。

「光司さんは良い人過ぎる」

綾子に立ち向かっても勝ち目がないから、と最初から及び腰の彼に、満ははっぱをかけたのです。

「じゃあ、一緒に戦いましょう」

仮住まいの三か月の間に、自分が全面的に光司さんの見方をするから、あいつらの好き放題にはさせない、と。

「…心強いねぇ」

「姉ちゃんやり込めて、春海見返してやりましょうよ!」

「満くん!頼りにしてます」

律儀な彼は満に腰を折る礼をして見せ、そこで共同戦線が締結されたのです。

理由…?

居間のテーブルに問題集を広げていた春海のところに、作業が一段落した房枝さんがやってきました。

そして、光司に対する態度を和らげることはできないの?と促しますが。

春海はなかなか素直になれません。

そんな彼女のスマホが鳴動し、そこにはSNSのメッセージが表示されたのです。

「もしかしてハルミンが休んでるの、僕のせい?」

意味深なその言葉に春海はため息をつき、畳の上にごろりとうつぶせになって房枝さんから顔を隠したのでした。

牧本の店で、持ち込んだ本の査定を頼んでいると、彼は房枝が亡夫の蔵書を整理するに至った理由をあれこれ推察してきました。

「何か心境の変化があったのではないか…?」

「ただ部屋を片付けたかっただけでは」という光司の言葉には耳を貸さず、まるで房枝さんが過去への未練を断ち切るためにそうしたものを処分しているのだと言いたげな牧本。

「話し込んでないで、さっさと査定してもらえませんか?」

「お前もさっさと働いたらどうだ!」

牧本が房枝を想っていることを知ってか知らずか。

満は彼の話も無視してやり過ごしていました。

岸本家の二階の空き部屋で。

房枝と綾子はせっせと荷物を整理していました。

「お母さんは満を甘やかしすぎる。あいつが働かないのは、お母さんのせいだからね」とずばずばと突っ込む綾子。

かつて、房枝さんは、満が30過ぎても無職だったら、家を追い出してでも働かせる、と言っていたのです。

しかし、現在満は31歳になんなんとしているのです。

「でもそれは、お父さんが生きていたころの話。お父さんが亡くなった時、私を支えてくれたのは満だった…」

支える、とは、毎朝おいしいコーヒーを淹れてくれる…ただそれだけのこと。

月命日には車を出してくれる、とは言いますが。

それは“労働”ではありません。

母親から与えられるわずかばかりの小遣いややり取りの隙間からこぼれ落ちたような小銭を集めて暮らしているのが、満の現実です。

しかし、10年後、20年後、歳を重ねたらどうなっていくのか。

「そんなに言うなら、あなたがやりなさいよ!」

思いがけずボールを投げられた綾子は複雑な顔をしています。

ここに寄宿する三か月の間に満を就職させてみろ、というのです。

「勿論そのつもりだったわよ!」

売り言葉に買い言葉で、気づいたら満の将来を自分に丸投げされてしまった感のある綾子さん。

言いすぎた、と思っても、時すでに遅し。

房枝さんが出ていった部屋のドアをじっと睨み据える綾子だったのです。

大切なもの

その頃、古本を売り払ったお金で近所のBar クラッチで昼間から一杯ひっかけている満と光司。

その店のバーテンダー・駒野(杉野遥亮)は満の後輩で友人だったのです。

過去、綾子と一緒に飲みに来たことがある光司を、駒野は覚えていました。

クラッチのアルバイトの小雪(きなり)がバンドでベースを弾いていると聞いて興味を示す光司。

実は彼はかつてメジャーデビューをした経験のあるミュージシャンだったのです。

全く売れなくて、二年で契約解除、引退してしまったという彼のことを、駒野は「僕は“ズタボロ”好きでしたよ?」と言ってくれました。

彼は如何に光司のベースが素晴らしかったかを語り、本人は、照れくさくて苦笑してしまうほどだったのです。

その目が潤むのを見て、満は言いました。

「家で褒めてくれる人いないんですもんねぇ」

力なくうなずく光司は、良かれと思って家事を手伝っても道具の使い方で文句を言われるのだ、と愚痴るのです。

そもそも、どうしてこんな光司とあんな姉が結婚したのか。

満には謎でしたが。

しかし駒野はクールに分析していました。

「高収入でバリキャリの女性は光司さんみたいなタイプに弱いですよ」と。

女医さんと芸術家の卵とか。

弁護士さんと、若手の芸人さんとか。

「もしかして、真っ当に働いてるからダメなんじゃないんですか?」

突拍子もない言葉を吐く満に「でももう、結婚してるし、子供もいるしねぇ」と答える光司。

「その発想が、光司さん本来の魅力を半減させてしまっているのでは?」

駒野までが穏やかではない言葉を言って、光司を驚かせていたのです。

「君たちは僕にクズ人間に戻れ、って言ってるのか?」

かつてバンドで好き放題やっていた時代の自分をクズと呼んでしまう光司。

確かにサラリーマンは向いているとは言い切れませんが。

「この店にいると…俺はクズ人間に戻ってしまう…」

居心地の良さと、酒の美味しさ、そして耳に心地よいワードの数々…光司は複雑な気持ちを懸命に押し留めていたのです。

しかし、今の彼の手元には、一時は30本もあったベースが一本も残っていない、というのです。

「もしかして、それって、姉ちゃんに処分しろって言われたんじゃ…」

満の読み通り。

光司は綾子の指示で、手元にあったベースをすべて、売るか譲渡するかで処分していたのです。

「姉ちゃん、昔から人の大切なものを捨てるのに無神経過ぎるんですよ」

顔をゆがめた満にも、かつて好きだったゲームソフトを何本も捨てられた覚えがあったのです。

その頃。

夕日に照らされている部屋に残された、満のコーヒーのダンボールの山を見て、綾子は苛立ちを覚えていました。

それは満の“大切なもの”…。

しかし、今の岸本家にとっては小さな火種になったのです。

未練

クラッチのカウンターでぐだぐだと飲み続けて程よく出来上がってきた光司が、不意に満に問いました。

「まだコーヒー屋さんに未練あるの?」

次の仕事を始める気配もない彼の理由が、光司には引っかかっていたのでしょう。

「まぁ、男が一度はこの道で食っていこうと決めた訳ですから」

「未練がないはずがないね」

さらにぐだぐだと飲んで理性が緩んだ光司でしたが。

帰宅すると女三人は寿司の大鉢を囲んで食事を始めるところでした。

「片づけほったらかして飲んできたの?」

「ほったらかしたわけじゃ…」

珍しく男気を発揮した満が「何度も誘う俺に付き合ってくれただけで光司さんは悪くない」と弁護してくれたのですが。

そんな満に綾子は容赦なく、二階に残された段ボールを確認してくるように、というのです。

それは、満にとって夢の跡でした。

潰してしまった店の“形見”だったのです。

「あれ、全部捨てて良いんだよね?」

綾子の言葉に「はぁ?ダメに決まってんじゃん」と反論する満。

「何で姉ちゃんたちが仮住まいするために俺の荷物を捨てなきゃならないんだよ!」

綾子たち一家の仮住まいのせいで、生活が脅かされるのは勘弁してほしい、ということを畳みかける満でしたが、綾子も負けていません。

「じゃあ聞くけど…何のためにコーヒーの道具残してるの?また店やろうとか思ってるの?思ってるわけないよね?」

「それどういう意味?」

「失敗して散々迷惑かけといて懲りただろうから、また店をやろうなんて馬鹿な考えはもうないでしょ?ってこと」

黙っている満に代わって、房枝さんが口を開きました。

「思ってないことないわよ…未練があるからとってあるんだし。ねぇ?」

「ないよ!未練もないし。やるつもりもないし」

そううそぶく満をみつめる房枝さんの表情は悲しげに強張っていました。

店をやるのやらないの、と仮定の話をしている中で、未練がないなら捨てられるよね?と言う綾子に、満は倍返しの屁理屈を突きつけました。

「姉ちゃんは、負けた高校球児に甲子園の土を捨てろって言えるの?」

「はぁーーーーー?!」

「残したって何の役にも立たないんだから、甲子園の土なんてさっさと捨てろって言えちゃう人間なんだ?」

ちょっと何言ってるのかわからない満の屁理屈にもテンションがおかしくなっている綾子はガチで突っ込みまくり、墓穴を掘りました。

二人の間で子供のケンカのような応酬が始まり、呆れた房枝さんが無理やりまとめようとします。

「じゃあもう良いわよ!三か月の間私の部屋にダンボール置くから!」

「そうやって甘やかすから!調子に乗るんだよ?!」

「そんなに捨てたくないなら、捨てなくていいと思う」

大人たちのくだらない争いに一石を投じたのは春海でした。

「お母さんは人の大切なもの処分しろって言い過ぎる___ホント腹立つ」

クールなその一言に愕然とした綾子。

そして、その指摘が思い当たりすぎる光司が小さくため息をつきました。

「私は満のためを思って…」

「違うでしょ?全部自分の為でしょ。いつもそうやって“あなたの為”とか言って自分に都合のいい方向に話もっていくの、お母さんのいつものやり方なの!」

胸に刺さることを言われてショックを受けた綾子が「春海に何か捨てろなんて、言ったことあった…?」と問いますが。

春海は驚いた顔をして綾子を見返しました。

「私が小学校行ってる間にお父さんがくれたもの勝手に捨てたでしょ?」

お父さん、と言うワードに房枝と光司が反応しましたが。

その様子に春海は吐き捨てるように言ったのです。

「私のお父さんは一人しかいないから!」

それは綾子の前夫のことでした。

気まずさの中で、光司は席を外しましたが。

綾子は春海の前に正座して謝りました。

「その件に関しては本当に悪かったと思ってる…あの時は、処分しないと前に進めなかったのよ」

「それは、お母さんが、でしょ?」

「姉ちゃんが“前に進む”という名目で、俺たちの大切なものは、いつも犠牲になってきたんだ」

光司の楽器のことも含めて「何様のつもりだよ?」と攻めようとすると、しかし春海は「満兄ちゃんも悪いよ」と突っ込みました。

「これからどうするつもりなの?」

一瞬考えをめぐらしながら、しかし、満は言ったのです。

「これから___ハマチ食って、イクラ食って、ウニ…」

「コーヒー屋さんダメになってからなにもやってないんでしょ?みんな心配してるんだから」

不登校児に心配されるニートの図式は流石に満にも痛かったようですが。

「みんな、俺なんかよりお前の事何倍も心配してるんだよ!」

その言葉に、春海も不登校を返上すると宣言。

「明日から学校に行く」と言ったのでした。

そして、転んでもただでは起きない男…満は不登校返上の隙をついてその春海が「捨てなくていい」と言ったダンボールを残す権利を獲得し、綾子をねじ伏せたのです。

新しい暮らし

久々に登校した春海の隣には一人の男子生徒が座っていました。

真面目そうな彼の名は高平陸(水沢林太郎)。

スライドするように春海の前に差し出された教科書には春海向けのメッセージが書かれていました。

「放課後会える?プールの裏で待ってます。Yes/No」

一瞬のためらいもなく春海は赤ペンでNoに丸を付けましたが。

彼は凝りていない様子です。

不登校の原因は、こんなところにあったのかもしれません…。

しかし、まだまだ彼女の闘いは、密かに続いていくのです。

すっきりと荷物が片付いた部屋。

間もなく綾子たち一家の荷物が届くその日。

もう午後の三時になろうというのに、まだゴロゴロとベッドのにいる満の…そのマットレスの下には均等に置かれた件のダンボール6個。

満も納得したのか、否か。

彼にとっても長い三か月が始まろうとしていたのでした。



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【俺の話は長い】1話の感想

一回一時間で、30分の二話構成って、なんだか“サザエさん”みたい。

しかし、物凄い密度の会話劇がどんどん展開されていって、これ、覚えてよどみなくお芝居するの大変だろうなぁ…という凄いドラマです。

そして、屁理屈剥き出しにして挑みかかる満と、ちょっとねじ曲がっているけれどもおおむね正論かな?という理屈で責めてかかってくる綾子のバトルは心拍数が上がる思いですが。

取り繕うこともなく顔の表情金の全てを使い尽くすかのような変顔の数々に最後には笑っちゃう…本当に、どこにでもありそうなケンカ、どこにでもいそうな、でもちょっと複雑な一家の物語だな、と感じました。

ニートと、その美しい母と、気の強い姉と、その再婚相手の夫と、前夫との間に生まれた娘。

彼らが岸本家の茶の間に集まると、大体何某かのいさかいが起こります。

彼らにとっては一大事でも。

他の人たちにしてみれば取り立てて騒ぐようなことでもない…。

まさに隣の家の些細な日常を垣間見るような気楽さで楽しめるドラマです。

私が驚いたのは、ついこの前まで大河ドラマでイケメンのオリンピアン三島弥彦を演じていた彼が、だらしないスウェットでゴロゴロしているニートに変身している…そのニートっぷりが見事にマッチしていて、表情筋すらだらしなく緩みまくっている…そんな生田斗真さんの変貌ぶりですね。

しかし、立ち行かなくなってしまった店の形見たちを広げて眺めていた時の表情はまた違った、それは寂しさと、哀しみ、そして将来に対する漠然とした不安といった、普段の満が押し殺している諸々の感情がじわりと浮かんでいて、見ごたえのあるものでした。

6年物間、だらだらずるずる過ごしてしまったニートが3か月で更生するとは思えませんが。

完全オリジナルゆえにネタバレを探すこともできません。

じっくり、彼の変貌ぶりを見て、その成長を祈っていこう、と思っています。



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【俺の話は長い】1話の視聴者の声


↑この満は尊い!


↑こういう形でのギネス記録ってあるんだ…?


↑イケメンです。杉野君、春ドラマのNHK「ミストレス」では抑圧されたかのようなお芝居が多かったけれど、今回のバーテンとか、ドライな感じが素敵ですね。


↑こういう時の表情は、素に近いだろうからカッコいいんですよ、斗真くん。


↑房枝さんを想うあまりに、満たちの事情に精通しているらしい古本屋の店主。
彼は適任だと思います。


↑うん。ニートにしてはカッコ良すぎるよね、とは思いますが。
そんな彼がどんな変化を見せてくれるのかが楽しみです。

まとめ

一回に二話。

30分でひとまとまり、という構成は、気軽に見て欲しい、ということに加えて、多くの人がテレビに集中できる時間が短くなった故の試みなのだそうです。

へえ、そういうもんなのかな?と思いつつ見てみたのですが。

メリハリが利いていて、中だるみしない、適度な緊張感がありますね。

しかし、あれだけ喋らせてわーっと展開して、きっちりその尺に収めるって、至難の業だな!と思います。

脚本家の金子茂樹さんと、演出の中島悟さんの息がぴったりなんでしょうね。

と、思って調べてみたら、中島さん、ついこの間まで放送していたNHK「これは経費で落ちません!」の演出家さんなんですね!

フリーの方なんでしょうか?

凄いキャリアの積み重ねの上でこの作品が作られているのであれば、面白くないはずがありません。

年末までの三か月、わくわくしてきました!
皆様もぜひお付き合いくださいませ。



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